年頭挨拶(2024年1月)

森商工会議所 会頭

 令和6年1月元旦 新年あけましておめでとうございます。
 新春を会員皆様とともに迎え、心よりお慶び申し上げる次第であります。
 森商工会議所は、昭和26年2月10日森町の発展に寄与するため、中小零細企業の持続発展を大きな使命に掲げ、先人の勇気と努力を結集し、森商工会議所、創立73年の歴史を刻むことができました。
 さて、令和6年1月元旦午後4時10分頃、能登半島地震(M7.6)と大津波の発生から多くの犠牲者、家屋の倒壊やインフラの機能停止など、被害が甚大でありましたことに、慎んで、お悔やみを申し上げ、被災の早期復興をご祈念申し上げます。
 また、1月2日18時頃、日航機516便と海保機との激突が発生し、亡くなられた5人の方々にお悔やみを申し上げます。さらに、日航機乗客の全員無事は、賞賛に値します。
 令和6年の幕開けは、「まさかの坂」があり、他人事ではないと認識しており、森町でも、駒ケ岳の噴火や地震・津波の発生もあるやも知れず、普段から、避難訓練の実施など危機管理体制が必要と考えます。
 昨年5月、政府は、経済対策を優先に、コロナ感染症を「2類」から「5類」に移行いたしました。3年にわたり猛威となったコロナ感染の終息を期待いたしましたが、現状では、感染者数の減少はあるものの、予断を許さない状況であります。さらに、インフルエンザの感染拡大等、生命と健康は最重要事項であることを認識すべきであります。
 世界情勢では、ロシアの一方的な現状変更によるウクライナ侵略は、未だ休戦もなく、さらに、イスラエルとハマスの戦争は、マスコミ報道のミスマッチの疑いあり、ハマスのパレスチナ人の大量虐殺と捕虜による内戦が、歴史的背景に起因しております。さらに、ハマスには、イラン、ロシア、中国対イスラエルには、米国、英国、仏、ドイツの戦争構図も考えられ、テロ、ゲリラの正当性は容認できない。この内戦は、複雑怪奇な戦争へと展開し、国連憲章や国連決議による多数決さえも機能していない。
 一方、隣国の北朝鮮では、無秩序な核保有と脅威となる弾頭の発射、また、中国では、南シナ海、東シナ海、尖閣海域等の実効支配、そして、台湾の現状変更を模索した挑発行為、第三次世界大戦さえも危惧されるものであります。
 国内においては、政府自民党の金銭問題に端を発した閣僚等の辞任、政治に対する不信感が募り、脆弱な政治に支持率も大きく低下しております。さらに、ドル高円安は、日本銀行の国債利回りの上昇に舵をとり、消費者物価の高騰と賃金格差の拡大を受けております。 岸田総理大臣は、無責任にも、中小零細企業等に対して、時給1500円時代の実現とする賃金上昇を、中小零細企業に改善を求めておられます。
 しかし、経営環境は、人口の大幅な減少を背景に、人手不足、人材不足、エネルギー問題、原材料・資材の不足と高騰、物流問題等、国内景気は、総じて、厳しい状況であります。
 政府は、輸出業者の増収増益、外国人観光客の増加によるホテル、飲食業、観光業など一部の業種によるものであり、その要因は、円安効果を主要因として、日本全体の景気が持ち直しと日本銀行の短観にて発表されております。実態経済は、田舎型の中小零細企業の経営危機を招いており、その責任転嫁を弱者に対し強要することは認められない。
 当会議所の経済状況は、気候温暖化現象から農産物、水産物などから打撃を受け、総じて厳しい状況でありました。しかし、定置網漁業では、鰯、鯖に限定し、過去にない大漁でありました。しかし、噴火湾産の養殖ホタテは、福島原発の処理水問題から、中国では、輸入停止措置いたし、この春、水揚される帆立貝の出荷先、価格、加工の研究開発など多岐に亘り問題が惹起し、地場産業が死活問題となる状況であります。
 政府発表による2050年人口推計問題について、森町では、6,900人(対比増減7,100人減少、減少率は51%)、さらに、65歳以上の比率は69%との推計から、あらゆる場面で、人口減少と少子高齢化、就業人口の減少の対策について、産・官・学・金・民が、街づくりのため、共有の問題・課題解決に向けた施策を講じなければならない。
 例えば、函館市の大泉市長や道南2市16町との対話を継続し、日本初第一号の道州制度樹立へ挑戦等(森町、当商工会議所、さわら商工会、各種団体および識者など、仮称、街づくり検討委員会等)広域で、各地区の歴史的背景等を尊重し、地域経済の活性化と持続的発展を模索いたしたい。
 現在の森町は、商店街のシャッター街化、飲食店の消費者対応の改善強化、森高校を含めた少子化対策、森町の道の駅整備、野外ステージの検討会、さらには、空き家、休耕地対策森町役場の各課の商店街店舗の活用など、大胆なイノベーションから、森町の活路を見出すことが、喫緊の課題であると認識しております。
 当商工会議所は、会員企業様の経営健全化を基本コンテンツとし、さらに、会員企業様の抱える諸課題等や各種ニーズを捉えなければならない。 例えば、人手不足を解消するため、令和3年度事業でありました無料職業斡旋事業を実施、さらには、事業承継問題、資金繰りの円滑化と経営改善(DXやGXなど)に対する支援体制を強化してまいりたい。
 令和6年は、森町では、全町民を対象とした応援券事業に参加し、さらには、2年連続ながら、プレミアム建設券事業を森町役場様より事前の内諾を受け、事業枠を拡大し、地域経済活性化に対し、積極的に寄与いたしたい。
 現状は、会員企業様の事業者の規模縮小や廃業者数も増加、会員の減資もあり、当会議所の財政は厳しい状況となりますが、森町の賑わいのある街づくりのため、経済総合団体の使命とその責務を果たさねばならない。 そのため、役職員の質を高め、会員企業皆様の知恵と勇気と努力に期待し、透明性、あらゆる機会に対話を重視し民主的に、常に、少数精鋭主義を貫徹することで、効果効率を追求いたしたい。
 そして、「無理・無駄」の解消から財務の健全化、見える化により会員様の持続的発展や地域の住民の皆様方や会員企業の皆様方から必要とされる、強靭な森商工会議所運営を構築してまいる覚悟であります。

以 上




森商工会議所 会頭 伊藤新吉